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『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン-spring version-』終了!:千田剛士 [ことでん・ひたちなか]

2016年3月25日
僕たちは再び、ここ、ひたちなかの地にやってきました。
ひたちなか海浜鉄道さんからの熱いラブコールを受け、
そう、再び、『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』を上演です!
次の日より本番開始!始まってしまえばあっという間の2週間でした。

僕(千田)は、今回も「車掌」という役を背任いたしました。
他の役同様に世界を担い、なおかつ、乗客のみなさまと同じ世界を体感していく。
しかし、ただ淡々と乗務員としてスリーナイン号に常駐する身でもあり、
その居所の妙がやりごたえのある役でありました。
お客さまと出会い、この不可思議な世界に導けましたならば幸いです。

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この作品の初演は、昨年の11月、秋でした。
シアターキューブリックには珍しく、小雨の日も続きましたが
「今回の作品には雨が似合う」と演出・緑川が言い、
これも演出の内なのだと納得。
確かに、冬の前の物哀しさ、内心しとしと雨降りのキャラクター達の心を写しているようでした。

今回は-spring version-
春らんまん!
しかし、まだまだ暖かさとは程遠く、まだまだピリリと凍てつく部分も残す日々。
ほんの微かに桜が芽吹き、この先々を感じさせます。

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「勝田」駅はこの作品の出発駅。

いつのまにか、気づいたころには
『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』は始まっています。

日常の狭間に、同様に迷い込んでくる登場人物たち。
まるで皆様も出演しているかのように、その隣でお芝居は進んでいきます。

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と同時に、春めいたひたちなかの街並みが車窓からのぞき
ストーリーと連動するように、混ざり合うように、めくるめく変化していく。

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あっというまに、ひたちなか海浜鉄道の終着駅「阿字ヶ浦」に到着。
次々と登場する人物たち。
目の前で繰り広げられるドラマたち。

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同じ空間で体験しながら、作品世界にどっぷりと浸っていく。
これがシアターキューブリック流「ローカル鉄道演劇」の楽しみです。
車掌の身として見ていると車内の様子が手に取るようにわかります。
これは僕だけの特権です。
この作品に参加くださった皆様が
ストーリーを紡ぐ出演者たちと同様、あらゆる表情を見せ、一喜一憂する姿が見られます。



-spring version-
と銘打った今回、脚本に関しては大幅な変更はありませんでした。
どこが春版だったかというと、前述しましたが、
向かう姿勢だったかな?と思います。この点、稽古場でとくとくと話しあったという事ではありません。
秋versionが雨が似合ったように、今回は早春のまだ寒さ残る暖かさ
これからどんどん蕾が開いていくかもしれない感が似合いました。
「-spring version-」そう心に留め、まるで新作のように稽古をしました。



阿字ヶ浦での「まちあるき」もバージョンアップしました。
より、作品を楽しんでいただける形になったかな?
ストーリーの中では「阿字ヶ浦」は登場人物たちにとっての重要なまち。
そこを知る「まちあるき」、そこでのあらたな出会いもある「まちあるき」。

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まちには生活があります。
僕も歩きましたが、楽しい人との出会いがありました。
犬がわんわん吠えていたり、椿の花が所々に咲いていたり、風が冷やりしていました。
直に出会ったからこそ、たくさんの実感を得ました。
足は棒のようになりました。
温泉に入ったり、美味しいものを食べたりしました。
いつのまにか、このまちの一員になりました。

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阿字ヶ浦から勝田まで
またストーリーの中へ。

列車に揺られながらの観劇なのか旅なのかの一日。

勝田で出会った頃と、勝田で別れた頃の皆さんは
随分と違った顔をしているなと思いました。
様々で、その人それぞれのストーリーを得たようでした。
でも一様に、良い顔をしてるようで嬉しかったです。

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この『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン』という作品は、僕らにとっても手探りの日々でした。
再度の上演とはいえ、まちも人もこないだとは、うって変わっています。
作品だって変わらざるを得ません。
だから、この『ひたちなか海浜鉄道スリーナイン-spring version-』は、新作であったな
と思います。スリーナインシリーズの特色かもしれないと思いますが
毎日、毎ステージ、実に新鮮で、驚きの連続。
一度だって同じステージは無いと言い切れます。それを一緒に体験してもらえて本当に嬉しいです。

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この作品の上演が終わり、しばし経ちました。
すっかり春になりました。
あたたかで、新しい事が始まっていく日々。
その前日譚たる作品になっていたのかな?と今だからこそ思います。
いろいろな事を乗り越え、僕らも明日を迎えます。

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また立ちはだかる壁があらわれる事もあるでしょう。
終わらない惰性を感じる時もあるでしょう。
複雑に絡みついた何事かに辟易する時もあるでしょう。

そんな時にまた、ここへ戻って来られたら良いですね。
不思議な列車、スリーナイン号で、旅とも演劇ともつかぬ時間を過ごせたらと。

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この作品を上演するまでに
とても多くの方々のご尽力がありました。
とてもじゃないですが、僕らだけでは出来得ない事だらけでした。
ほんとうに、本当にありがとうございました。


写真:宮内敏行
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