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「人を想う」 : 片山耀将 [『十二階のカムパネルラ』]

2018-11-01T23:04:32.jpeg
僕はこの座組が好きです。

無駄に自己主張することなく、
結果を性急に求めず、
「わ」というものの本当の力を知っている。

「和」だったり、「輪」だったり、もしくは「話」というものかもしれない。

だから、僕はこの座組が好きだ。



思えば、そんな予兆は稽古初日から「ふんわり」と漂っていて、それが少しずつ、一人一人の肉体に、声に、佇まいに宿ってきたように思う。



作品を想い、相手役を想い、宮沢賢治を想う。

そういう人間達が形を創る「わ」。


やがて本番になれば、その「わ」が劇場全体を包み込むようになるのでしょう。

だから僕は今、わくわくしています。とっても。


さて。


「十二階のカムパネルラ」という作品に、世界を揺るがす大事件とか、何か譲れぬものを背負って争うとか、
そういうものはありません。

変わらぬ日常の中に、ふと舞い降りた「人の想い」。

他人からしたら、些細な事柄かもしれないその想いが
やがて少しずつ、波紋のように広がり、やがて日常という波間に消えてゆく。

人生って、そういうものの繰り返しなのかもしれない。

とてもちっぽけな事の繰り返しなのかもしれない。



でも。



そういうちっぽけなもの達が、やがて僕らの一部になっていく。

それが宝物なのか、あるいは呪詛なのかはよくわかりませんが。


この作品を観て、もしあなたの心に波紋が広がったら、
その先にはどなたがいるのでしょう。


きっと、大切な人だと思います。






「十二階のカムパネルラ」
本番初日まで、あとすこし。

どうか、お楽しみに。

片山耀将
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