佳境。: 片山耀将

本番まであとわずかとなって参りました。

ぼくたちは、何のためにお芝居をするんでしょうか。
なぜ、香川まで行くのでしょうか。
なぜ、ことでんの車内でお芝居をするんでしょうか。

そもそも、この世にお芝居なんているんでしょうか。

そんなことばかり考えています。

もちろん、自身の中に答えはあります。

それでも。

ぼくたちは思考停止をしてはいけないのだと思う。

考えることを放棄した時点で、命は消えてしまう。
満足してしまったら、歩みは止まってしまう。


『死ぬまでは、生きるしかない』

きっと、そうなんでしょう。

ぼくたち俳優は、所詮舞台上で生きられないんです。

そして、舞台上で生きていたい。

尊敬すべき仲間たちと、共に。

そして、観に来て下さったみなさんと、なにかを共にしたいのです。

長い人生の間で僅かな時間かもしれません。

それでも、いや、だからこそ、手間と労力を惜しまずに。

明日も、明日を生きていきます。